中央大 パネル展 化学物質過敏症・香害・SDGs

中央大学多摩キャンパスにて、今月10月末まで化学物質過敏症や香害についてのパネル展が行われています。以下、見学に行った福生ネット会員よりの感想です。

子どもが小学生になると、給食着の持ち帰りが始まりました。

洗濯をすると前のご家庭で使用した洗剤の香りがとんでもなく強く、他の洗濯物にも香りが移る始末。

一般のご家庭はこの香りが家中に満ちているのかな?苦しくないのかな?とずっと気になっていました。

そこで今回、パネル展『化学物質過敏症・香害・SDGs』に行ってきました。

このパネル展は中央大学文学部で開講される「プロジェクト科目(今、そこにある公害)」という授業と連動して企画されました。

香害の実態や被害、発症のメカニズムなどが写真やイラストでわかりやすく紹介され、実際に困っている人の声もたくさん掲示してありました。

化学物質過敏症は誰でも急に発症する恐れがあるにも関わらず、医者にかかってもなかなか病名などが付かずに苦労しているということでした。

近年、香りの強い日用品がブームとなり、2010年からの10年間で香料の生産量は2倍、その9割が石油から作られた人工香料だそうです。

特に「香りがつづく」「ずっと消臭」などと宣伝している洗剤などは、マイクロカプセルに人工香料や消臭・抗菌成分を封じ込めています。

EUでは、人にも環境にも悪影響だとして、マイクロカプセルなどを日用品に入れることを禁止する方針です。

日本では香料や抗菌・消臭剤は法律の規制対象外で成分表示の義務もないので、普通に売っている商品なら安全ということは決してありません。

すでにシジミから柔軟剤の人工香料やマイクロカプセルが見つかり、日本人女性の母乳からも香料が検出されています。

今や国会でも取り上げられている「香害」ですが、日本の今までの公害対策を鑑みると、企業への規制は時間がかかるでしょう。

目には見えないものでも、まずは言葉で「香害」への理解を深め、その苦しさを共有していくことが必要だと感じました。(会員:スエナガ)