「たねと私のたび」上映会 報告

日時:2023年11月19日(日)13:30~15:30
会場:プリモホールゆとろぎ レセプションホール
主催:生活クラブ運動グループにしたま地域協議会(福生ネットもメンバーです)

種と私のあび2023上映会おもてのサムネイル

遺伝子組換え食品を積極的に食べたいと思っていますか?それともなるべく避けたいですか?
自分で考え、選ぶ。その大切さを教えてくれる映画でした。

たね

私たちは毎日たねを食べています。
普段の生活で「たね」を意識することはほとんどないですが、実は、私たちが食べているものは「たね」そのものであることが多いのです。
お米は稲のたね。
パンもラーメンもパスタも小麦のたねからできています。
大豆もたねそのもので、豆腐、納豆、味噌、醤油の原料。
ビールの原料やおつまみの枝豆、
コーヒー豆も、すべて「たね」。
乳牛や、食肉用の家畜はトウモロコシ、大豆、綿実などやはりたねを食べて育ちます。
「たね」は私たちが生きていく上でとても大切なものなのです。

その大切「たね」…大豆やトウモロコシなどは、いつの間にか遺伝子組み換え作物になってしまいました。世界で一番遺伝子組換え作物を食べているのは日本人と言われています。日本では遺伝子組換え作物の栽培は禁止されていますが、たくさんの遺伝子組換え作物を輸入しています。その規制は大変緩く、私たちはいつのまにか、遺伝子組換え作物を使った食品を食べています。

映画は

「たねと私の旅」はカナダで製作されたドキュメンタリー映画です。監督で主人公のオーブは、環境活動家でもあった母が家庭菜園で採れた野菜で作る愛情たっぷりの料理で育ちました。オーブは幼い頃から、畑と台所が大好きでした。
オーブは大学に入り、都市で一人暮らしを始め“スーパーで食品を買う”という新しい体験をしましたが、「何を食べているのかわからない」という不安がありました。その年、最初の「GM(遺伝子組み換え)食品」が市場に出回ります。多くの国が食品にGMの表示義務を設けたのに対し、カナダとアメリカは表示義務を設けませんでした。除草剤を使っても枯れない大豆やナタネ、殺虫能力をもつトウモロコシ、種の壁を越える遺伝子組み換え……。
EUにある遺伝子組み換えの表示義務がカナダやアメリカにないことに強い疑問を抱いたことが、『たねと私の旅』を撮り始めるきっかけとなって、2017年、約10年の歳月をかけてこの映画を完成させました。

上映会

「遺伝子組換えに関心をもってくれるかな」と、当日までずっとドキドキしていましたが、主催者を含め43名のご参加をいただき、皆さんとてもいい感想を持ってくださいました。

当日の感想をシェアしたいと思います。

★遺伝子組換えに対する反対運動がこのような動きの中で世に広がっていたことが肌で分かるような映画でした。大企業の圧がすごい…。淡々と語られる、法案が通らない、州法が後から覆されるとかの事実が恐ろしいです。美しい畑や、おいしそうな物音のする調理風景が本来の人の暮らし方のリズムはこうだったんだよと教えてくれているような気がしました。

★カナダの保健省等とのやり取りで、取材拒否やいろいろなやり取りを隠すことなく見ることができてよかったです。やはり政治なんですね…。買い物は投票とも言いますがまずNON GMを買うことで少しずつ動いていけるといいなあと思います。

★映画を観て、主人公の女性の行動力に驚かされました。また、デモの映像を見て、たたかうことの大切さを感じました。テレビではあまり報道していないので自分で学んでいかなければならないと思いました。

★自分の家でもある程度畑などで自給自足ができるが、不作や獣害などで思うように収穫できないこともある。そんな時は生活クラブなどで調達しているが、子どもの好きなお菓子などはGM作物が多く使われているので選択することが難しい。手作りの料理がたくさん出てきて、手間がかかっても手作りすることの大切さを改めて感じた。

★食品会社で働いていて、アレルゲンの表示などには厳しく対応している。2023年4月からの遺伝子組み換え食品表示の改正については知っていたけれども、会社の中でも知っている人とそうでない人がいる。法の改正でも正しい情報を国が伝えていけるか、重要だと思う。

★今ようやく日本でも一部で話題に上がってきているゲノムやF1のたねのことも出ていてとても興味深かったです。カナダの保健省等とのやり取りで、取材拒否やいろいろなやり取りを隠すことなく見ることができてよかったです。やはり政治なんですね…。買い物は投票とも言いますがまずNON GMを買うことで少しずつ動いていけるといいなあと思います。

上映会上の様子

★GM表示義務を勝ち取ることがこんなに大変であった歴史があったことをこの映画で知った。食の安全、次世代の食の安全。大企業のカネと政治との癒着。戦いはこれからも続く。私たち一人一人がGMを選ばない自由を確保し、GMを選別できる目を持つことが、食の明るい将来につながると思う。GMを見つける目を持ちたい。

字幕映画だったので少々見づらい部分もあり、ご迷惑をおかけしました。

この映画を観て多くの人が、「声をあげなければ」「行動しなければ」と思ってくださり、上映会に取り組んでよかったと思いました。

「脱原発と再生可能エネルギーへの転換を求める」署名コーナー

上映後は、地域協議会で作成した資料「日本の遺伝子組み換え表示とは?」をもとに、2023年4月から大きく改正された遺伝子組み換え表示制度について問題点などを紹介しました。

また、同じ会場で、地域協議会が取り組む「脱原発と再生可能エネルギーへの転換を求める」署名活動も行いました。