巨大データセンターについて考えよう

2025年12月14日(日)、福生市さくら会館で、「巨大データセンターについて考えよう」を開催しました。(生活クラブ運動グループにしたま地域協議会主催)

地域協議会でエネルギー問題について話し合う中で、「昭島に大きなデータセンターができるらしいよ」「どうなっちゃうのかな?」といった疑問が出ました。昭島・生活者ネットワークに、二ノ宮リムさち先生を紹介してもらい、学習会を開きました。二ノ宮先生は立教大学の教授で、環境教育学やシチズンシップ教育を専門とされ、GLP昭島公害紛争調停団(くじら調停団)の共同代表でもあります。

2022年、昭島駅北側の昭和の森ゴルフ場跡地(敷地面積65ha。東京ドーム約13個分)に物流センターが建つと計画が発表されました。最高の高さが40~55mの建物が3棟建つ予定です。昭島駅北側は現在でも交通量の多い地域ですが、運用が始まると一日5,800台(往復11,600台)の車両が増えると試算されています。慢性的な交通渋滞や排ガスによる大気汚染などが心配されています。またゴルフ場の樹木を3,000本伐採する計画で、玉川上水に連なる自然環境や、生き物たちの生態環境の破壊がすでに始まっています。

さらに、物流センターだけでなく、建物高が35mのデータセンター8棟が建設されることが発表されました。データセンターとは、サーバーやネットワーク機器を設置するために作られた建物です。インターネットなど外部と接続できる高速回線、冷却装置、大容量電源など、サーバー設置に必要な設備を備えています。昭島に計画されているデータセンターは日本最大規模といわれ、電力消費量は昭島市全体の6倍、新宿区の消費量に相当するといわれています。温室効果ガスの排出量については昭島市全体の4倍と試算されています。データセンターから出る排熱や低周波振動が心配されていますが、現在のところ法律に基づいた典型7公害(大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭)には含まれていないということです。事業者である日本GLP社としては環境に大きな問題はないというスタンスを取っているので、現在市民が運用前後の周辺の環境変化のデータをとっています。

どうして計画がどんどん進んでしまうのか。法律上、建物を建築するにあたって、建築主の周辺住民への説明義務はありません。民間の土地をどう利用するかは民間に任せられているので、そこを止めるためには事前にまちづくり条例などを策定しておくということが必要だそうです。建物に高さ制限をつけたり、大規模な開発に至る場合は住民投票を行なったりするなど、条例で規定をつくれば民間の開発にも制限をかけることができます。(国分寺市まちづくり条例、神戸市民の住環境等をまもりそだてる条例など)

データ使用量が膨大な首都圏において、住宅近接地にデータセンターが建設されることは仕方がない部分はあります。問題はグローバル企業による建設ラッシュという状況の中、データセンターの計画の規制が未整備であることです。データセンターは非常用電源のために重油を貯蔵しますが、法律上は事務所扱いになるそうです。現時点で排熱や低周波騒音、生態系の破壊などが公害として認められていないことで、住民の訴えも認められにくい状況にあります。実際に日本GLP社との公害紛争調停においても、グローバル企業を相手に、市民の声が企業の深部まで届く実感がないといいます。

参加者からは、環境破壊を目の当たりにしている危機感や、もっと知りたい!広めたい!といった感想がありました。まずは何が起こっているのか知ること。引き続き近隣住民として、現状を知っていきたいと感じました。