特定秘密保護法 委縮することなく知る権利を守ろう

2014年3月21日 23時06分 | カテゴリー: 民主主義

講師の三木由紀子さん 東京・生活者ネットワーク会議室にて

東京・生活者ネットワーク公開学習会
「どうなる知る権利 特定秘密保護法」3月15日参加報告
講師:NPO法人情報公開クリアリングハウス 理事長 三木由希子さん

 特定秘密保護法とはどんなものでしょうか?
私たちはどのように対処したらいいのでしょうか?

三木さんは、まず初めに、今までも政府は「秘密」をたくさんもっていたことや、秘密保護に関する法律もすでにあったことを指摘しました。特定秘密保護法の成立で、「これから、どんな怖い社会になるのか」と、ただ漠然と不安に思っていましたが、今までも秘密だらけの社会に無自覚に暮らしていたことに、今さらながら気がつきました。

そして、三木さんは、今まで私たちは、政府の情報は誰のものか、安全保障の責任は誰がとるかなど、しっかり議論してこなかったと、そうですね・・・。

  2001年に施行された情報公開法では、原則公開、でも例外で非公開となるものがあげられています。その例外の中に
「外交防衛情報」
「治安維持情報」
が入っています。この情報については「素人が判断できないものだから、高度な専門性をもった人が判断すればよい」となっているのだそうです。
え?今の大臣たちの顔を思い浮かべると、判断はとても委ねられない気持ちです。
 

そう思うのは私だけでなく、2011年にOECDが行った加盟各国の国民の政府への信頼度調査で、「日本人は政府への信頼がとても低い」という結果がでています。 

2007年~2011年の間に防衛秘密の指定は約55,000件あり、そのうち約34,300件が廃棄され、秘密指定の解除はたった1件だけ。秘密は秘密のまま葬られ、説明責任は果たされずに終わりました。

2011年に施行されたばかりの公文書管理法により、歴史的に重要な公文書は国立公文書館になどに移管することになっています。
公文書管理法で公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもの」とやっと位置づけられました。しかし、秘密に指定された文書について、残すべきかどうか慎重に検討される仕組みになっていないため、秘密は廃棄されやすくなってしまっています。
 

三木さんは、政府が秘密を持つことは認めていますが、その秘密をいかにマネジメントしていくかが大事といいます。保存や秘密指定の解除、時間がたってからの公開など、あとから検証できるようなシステムになっていて、かつ、そのシステムが信頼できるものであれば納得がいきます。しかし、どうもそうはなっていないようです。 

そして、秘密文書があるということは、そこに活動があるということで、秘密情報を多く含む政府の活動をどのように監視していくかも、本来なら、一緒に議論していかなくてはいけません。

法制の検討にあたって、次のようなことが欠落していました。
●秘密の領域であっても説明責任の徹底が必要である
●秘密の保護のための仕組みと同列に、秘密指定と記録の管理、秘密指定の解除と公開の仕組みが検討されていない
●罰則を強化すれば情報漏えいはなくなるだろうという発想。政府は放っておくと腐敗するという自戒がない。

中身がしっかりと議論されないまま法案は、昨年12月に成立してしまいました。情報保全諮問会議ができましたが、その中身は薄いようです。 

特定秘密保護法は、情報を出す内部をきびしく罰する法律のため、情報が少なくなる懸念があります。情報漏えいした公務員などは、その意図や目的を問わずに罰せられてしまいます。 

しかし、情報公開を求めることが罰せられるわけではありません。政治家が自分に都合の悪いことを秘密にすることは法律上も認められていません。

民主主義は、政府が何をしているか知ることからはじまります。黒塗りの文書と闘ってきた三木さんは「これからも市民は委縮することなく情報公開を求め続けていきましょう」と元気づけてくれました。

三木さんは、最近アメリカとイギリスに秘密保護制度と情報公開の聞き取り調査に行ったそうです。アメリカもイギリスもそれぞれに深くて広い闇があるようです。しかし、あきらめず問題に取り組み、仕組みや制度を改革したり作ったりしています。

 ただなんとなく怖いので、自主規制するという空気が広がるのが心配です。国民には知る権利があることを忘れずにいたいです。勉強していくことも、大事ですね。 

NPO法人 情報公開クリアリングハウスHPより   http://clearing-house.org
秘密指定 = 知る権利の保障の放棄、アカウンタビリティの免除ではない
リアルタイムでは難しくても、どういう仕組みで秘密の指定や解除、歴史的検証に委ねるのかという情報公開はできるはず。そして可能な限り秘密の中身についても時間軸をながくとってアカウンタビリティを果たすべきでしょう
(いちからわかる特定秘密保護法案~特定秘密保護法案は秘密のブラックホール?)

 生活者ネットワークの都議会議員も東京都の情報公開について報告しました。猪瀬元知事の金銭授受の問題も情報が議会になかなかでてこなかったことや、前回2016年のオリンピック誘致活動のときの支出文書が一部欠落、一時紛失という問題などありました。 

また、小平・生活者ネットワークでは、これからの活動で、「都市計画道路の整備方針(仮称)策定」に市民参加を求め、東京都へ情報公開も求めていくとのことでした。ネットの都議とともにがんばってほしいと思いました。

(報告・福生・生活者ネットワーク会員 黒沢)