【政策紹介⑥】最後まで自分らしく「自己決定」が尊重される社会

みんなで作った 福生ネットの2023政策を、少しずつ紹介していきます!

■高齢になっても障がいがあっても誰もが自分らしく暮らせるまちをつくる

・高齢者、障がい者に寄り添い自己決定が尊重されるまちづくりをすすめる

・高齢者のみの世帯やひとり暮らしの高齢者を見守る仕組みを充実させる

・断らない相談窓口の設置をすすめる

・ケアラー・ヤングケアラー支援を充実させる

・生活困窮者への自立支援のしくみを充実させる

2022年成年後見制度学習会を開催しました。紙芝居を使いわかりやすく制度を説明し、参加者同士でも気軽に意見交換しました。

 

●成年後見制度
65歳以上の4~5人にひとりが認知症になるといわれています。
生活のための契約や手続きは高齢になるはど難しくなっていきます。判断力の落ちた高齢者を狙った悪質商法や詐欺も多発しています。

一人暮らし、あるいは高齢者のみの世帯でも、安心して暮らしていくための成年後見制度について市民のみなさんへも呼びかけて学習会を開催しました。
(11月26日(土)福生市民会館集会室にて、講師はNPO法人アビリティクラブたすけあい(略称ACT)成年後見事業部の池口葉子さん)

成年後見制度とは、認知症や障がいなどの理由により、財産管理や各種契約などで物事を判断する力が不十分になった時、裁判所に申し立てて本人の権利を護る援助者(後見人)を選び本人の望む生き方に寄り添い支援してもらう制度です。後見人は本人が社会生活を営む上で行う様々な契約行為を代行します。

成年後見人には親族や司法書士、弁護士などが選ばれます。自治体などが行っている市民後見人養成講座を受け市民が後見人になることもあります。また、ACTのように法人で成年後見人になることもできます。法人では、複数の人が関わり、担当者に何かあってもすぐに別の人が対応できるなど安心です。

成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」があります。
ACTでは「最後まで自分らしく暮らす」ために任意後見を勧めています。任意後見は判断能力が衰える前に自分で契約します。契約時やその後の見守り、安心ノート(エンディングノート)の記入などを通じ、認知症などになったとき自分がどうしてほしいのかを伝えておくことができます。

当事者のためには、お金の管理だけでなく人権を重視した身上保護が大切です。市民後見人が得意とするところで、ACTでは市民相互の助け合いの理念で市民後見人を育成し、活動を広げていきたいとのことでした。

高齢になっても、障害があっても自己決定が尊重され安心して暮らしていくためには成年後見のしくみづくりが必要です。福生市では平成28年「成年後見制度の利用の促進に関する法律」に基づき、市の第6期地域福祉計画の中に成年後見利用を促進するための項目があります。中核機関として「成年後見センター福生」があり、窓口が福祉センター内におかれています。また今年度、新たに法人後見事業開始のための予算が計上されました。福生ネットは、誰でも使いやすいしくみとなること、また市民後見人の育成を行うことも引き続き提案していきます。

 

東京ネット ケアラー支援 政策提案のための調査プロジェクト報告集

●ケアラー支援

誰もがケアラー(介護する人)になりうる時代です。ケアラーをささえるしくみづくりを提案するために、東京ネットのプロジェクトチームがケアラー23人に聞き取り調査をし報告書にまとめました。報告書からは、さまざまなケアラーの像がうかびあがり、心身への負担、仕事への影響などの問題が見えてきます。
ケアラー支援を充実させること、SOSを言えないヤングケアラーを早期に発見し支援に結び付けていくことができるよう働きかけていきます。

 

●断らない相談窓口とは
子育てと介護を同時に行うダブルケアや、介護が必要になった高齢者に引きこもりの子どもがいる8050問題など、生活の中での困難な課題は、複合的なことが多々あります。しかし市の相談窓口は、介護、障害、子育て、学校、生活困窮など分かれています。相談支援に係る事業を一体として実施し、本人・世帯の属性にかかわらず受け止めるための「断らない相談窓口」の設置を福生ネットはこれからも提案していきます。
(会員 黒澤)