【政策紹介③】広がるオーガニック給食

みんなで作った 福生ネットの2023政策を、少しずつ紹介していきます!

■ いのちを育む「食」「農」「環境」を守る

<食>

・子どもから高齢者まで自分の健康を自分で守ることができる食育を進める

・食品ロス削減など環境に配慮した食についてみんなで考え実践できるような取り組みをすすめる

・食の安全を守る

<農>

・西多摩エリアを中心に地産地消をすすめる

・都市農業の多様な価値を活かして地域を活性化する

近年、学校給食への地場野菜の使用や有機農産物の導入が注目を集めています。

昨年10月26日(水)中野ZERO大ホールにて開催された「有機で元気!全国オーガニック給食フォーラム」に参加しました。

さまざまな報告等が行われる中で、注目した2つの取組について紹介します。

 

●学校給食地産地消コーディネーター

長野県の学校栄養職員・栄養教諭として41年間勤め、退職後は、学校給食地産地消コーディネーターとして、地産地消拡大の支援や食育支援を行っている杉本悦子さんから、その取り組みについてお話を伺いました。

子どもが豊かに自立するための食育は、地産地消の給食で運営することが基本で、その中に低農薬、無農薬、有機農産物を取り入れていくと、地域もよりよく変わっていく。子どもを中心として、栄養教諭、調理員、教職員、教育委員会、行政、生産者、JA、保護者など、地域の連携をつくり、教育としての食育を進めることが大切とのことでした。

また、長野県塩尻市の取組として紹介されたのが、中学生が給食の献立を立てるというものでした。
2年生の家庭科で献立を作成し、ほぼ全員の献立を1年間に入れました。生徒会で育てたブドウを学校給食に出すなど、ユニークな取り組みが紹介されました。この中学校では、年間通して残菜ゼロのクラスが学年(各5クラス)に1クラスずつあったそうです。給食とのかかわり方で、残菜が減り、食や地域への関心も高まるのではないかと思いました。

 

●千葉県いすみ市の環境と経済を両立させる有機農業

コウノトリを育む農法に取り組む兵庫県豊岡市の取り組みをお手本に、深水栽培による有機米の生産を進めようと取り組んだ、いすみ市農林課職員の鮫田さんのお話を伺いました。

「テーマを有機農業だけに狭めるのではなく、より広い『自然と共生する地域づくり』として、事業者、農家、市民一体で協議会を設立。たくさんの市民と緩やかにつながって、みんなが誇れる自分事の活動として取り組んだ。自然と共生する里づくりを目指した取組は、有機米の販路を学校給食とし、2017年には市内の学校給食の米を100%有機米にし、有機野菜の使用までスタートさせた」とのことでした。

2022年市民の皆さんへ呼びかけ 防災食育センター見学会を開催しました。
センターの職員から地場野菜の使用状況の説明を聞きました。福生市内では供給が足りず、羽村市や瑞穂町の野菜も利用しているとのことでした。

福生市でも、市内と近隣自治体の地場野菜を学校給食に使用していて、学校給食と地域の農業は切り離せない関係にあります。

2021年、農林水産省は持続可能な食料システムの構築に向けて、「みどりの食料システム戦略」を策定しました。2050年までに輸入原料や化石燃料を原料にした化学肥料の使用を30%低減すること、化学農薬の使用量をリスク換算で50%低減すること、有機農業の取組面積を耕地面積の約25%まで拡大することを掲げています。
また、「環境負荷低減事業活動の促進に関する法律」が昨年7月に施行され、環境と調和のとれた食料システムの確立に向けて動き出しました。
一方、文部科学省では、学校給食に地場産物を取り入れるため、学校側と生産・流通側との調整役を担うコーディネーターの配置にかかる経費などを支援しています。その仕組みを活用し、子どもたちが身近に実感を持って地域の自然や環境、食文化、産業について理解を深めるなどを呼び掛けています。

防災食育センター見学用通路にて

地域の環境を守ることと学校給食をつなげるという考え方は、これから益々重要になってきます。
学校給食に地場野菜の使用をさらに進めるよう働きかけ、地域の農業を活かした食育を進めるよう取り組んでいきます。(会員 三原)

防災食育センター 調理の様子