令和3年度予算に対する要望書を提出

予算要望書を市長に手渡しました。

11月15日、福生ネットは加藤市長に、福生市の令和3年度(2021年度)予算に対する要望書を提出しました。
63項目の要望事項は最後に掲載しています。

市長との対面でお話しした一部をご紹介します。(数字は下記要望事項参照)

(2)妊産婦の心のケア―について、有名芸能人の自死など報道でも取り上げられています。コロナ禍で産後うつが長引く傾向があるようで、特に気を付け支援してほしいと要望しました。

(6)子どものSOSや保護者の緊急の相談は、学校の先生の就業時間外になることもあります。学校の働き方改革で就業時間外の電話を受け付けないことになり緊急の問題があった時が懸念されます。対応できる人材がいるところへ委託を要望しました。電話が通じるだけでも安心できる効果があります。

(22)ヤングケアラーについては、まだ認知度が低いようです。介護だけでなく病気の家族などの面倒をみる子どもがいます。実態調査を要望しましたが、調査は児童民生委員や子どもに係る方々の聞き取りなどを想定しています。

(26)8050問題やケアラー支援など複合的な相談のために「断らない相談窓口」の設置を要望。窓口で一元的に対応し、振り分けていく機能が必要です。

(43)今まで給食のパンは国産小麦でしたが、8月から輸入小麦に変わりました。福生ネットでは、給食食材の安全性を守る取り組みを継続的にしています。また市民から輸入小麦の安全性への不安の声もありました。来年度からは国産小麦を使ったパンに戻してほしいと要望しました。現在の給食メニューは米飯が主で週一回ほどパンや麺類になっています。

牛浜駅前の防災ポール。太陽光発電で灯がつき、災害時の充電機能も付いています。

市役所一階の展示。「環境にやさしい暮らしで ごみ削減!~みんなで減らそう プラスチックと食品ロス~」福生市は5月の統一美化キャンぺーんと合わせ 「海ゴミゼロウィーク」に参加。

(54・55) 避難所の防災対策は市でも進めているが、今後もさらにすすめてほしい。

(58)プラゴミ問題に関心のある市民はおおいようです。当日の庁舎一階でプラスチックゴミや食品ロスについての展示がありました。
市長からは、福生市の環境の取り組みであるF-e(福生市環境マネジメントシステム)で、市民監査委員が頑張ってくれていて、庁舎内に及ぼす影響は大きいとのことでした。

(60)最近の新聞報道で、府中市と国分寺市の住民を対象にNPO法人が実施した血液検査で、発がん性や発育への影響が懸念される有害化学物質である有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」の血中濃度の平均値が、府中市で全国平均の2倍超、国分寺市で1・5倍だったことがわかりました。市民からの懸念の声があがっています。市長も新聞報道で懸念を持ったとのことで、過去の横田基地火災での下の川汚染を思い出したそうです。福生市の地下水からは今のところ検出されていないようですが、引き続き注意してほしいです。

(61 62)横田基地について、市長も米軍機の離発着が増えていることを実感していて、防衛庁とも話しているそうです。今まで昼間は家にいなったが在宅勤務で家にいるようになった方が増えていますが、「こんなにうるさかったのか!?」と実感した市民の声もよく聞いています。
また、市長はオスプレイの飛行増加を懸念し、測定器の必要性も感じているとのことでした。

その他、コロナ禍で全国的に若者や女性の自殺が増えていること、福生市の「福祉と就労の窓口」の相談も増えていることなどの話題で、市民が相談できる窓口は大切にしてほしいことなどを話しました。市長は、たまいのちの電話の話を聞いたことなどから、自殺の問題を深刻に受け止めているとのことでした。また、市長から福生市の「申請書電子化」の記事が11月5日の読売新聞に載ったことを紹介されました。

 

令和3年度予算に対する要望事項
(1)大事なことは市民参加で決めるしくみをつくる!
1 若者や子どもの意見を積極的に取り入れるために若者会議などのしくみをつくる。
(2)子どもも親も一人にしない子育て支援をすすめる
2 子育て世代包括支援センターについて、すべての妊産婦にその人にあった心のケアを充実させる。
3 「子どもの権利」について、広く市民に啓発活動を行う。
4 学童クラブ・ふっさっ子の広場・学校等でのボランティアも含めた子どもに関わる人材及び市民に向け、子どもの遊びの大切さを理解するため、また、特別な支援が必要な子どもへの接し方等の理解を進めるための学習の機会を設ける。
5 虐待についての相談や通報がしやすくなるように緊急通報番号(189:いちはやく)の広報活動を行うとともに、子ども家庭支援センターでの相談受付についても周知に努める。
6 放課後や、親が帰宅してから、学校が休みの日などでも、子どものSOSや保護者からの相談に対応できる体制を整備するため、子ども家庭支援センターの開館時間の延長、または児童養護施設などへ時間外業務を委託し、24時間対応できるようにする。
(3)すべての子どもが豊かに学び合い生きる力をつける教育の推進
7 いじめ防止対策や虐待防止対策として、子どもが自分自身の権利を理解することで、他者の権利も大切にすることも学びながら、暴力等から自ら心とからだを守る方法を知ることができるCAPなどの実践的な教育プログラムを導入する。
8 学校に行けない・行かない子どもたちへの学びの場の充実策として令和2年度開設の7組について、子どもの多様性を尊重し、特性を活かしていく教育を充実させる。
9 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(生涯を通じた性と生殖に関する健康と権利)を学ぶために、小・中学校で専門家を講師に性教育の授業を行う。
10 全教職員に、性的少数者(LGBTQ)に対する理解を深めるための研修を行う。
11 経済格差による教育格差を生まないための、無料で誰でも受けられる学習支援のさらなる充実。
12 一人ひとりを福祉的な視点で見守り、早い段階から課題解決に向けて対応できるよう、スクールソーシャルワーカーを全校に1人ずつ職員として配置する。
13 教育センターの臨床心理士を正規職員として採用することで、人材を安定的・継続的に確保することをさらに進める。
14 コミュニティ・スクールについてと、学校支援地域組織・学校支援コーディネーターについて、市民全体が理解を深められるような取り組みを行なう。
15 すべての子どもが学ぶ機会を確保するために、日本語を母語としない子どもたちが、基礎学力を身につけるための実践的な教育プログラムを、専門性を持ったNPO等との連携を深めながら進める。
16 ふっさっ子の広場にも特別支援に対応した人材を配置する。
(4)自立のための若者支援をすすめる
17 中学卒業後の若者の自立を支援できるよう、課題把握のための若者の実態調査を行う。
18 若者一人ひとりの実情に合せた継続的な支援をするため「子ども・若者計画」の策定と「子ども・若者課」を新たに設置する。
19 若者サポートステーションとの連携と活用。
20 中高生や若い世代の市民が社会に出る前に働く人の権利についての知識を身につけるため、専門家による実践的授業などを行う。
21 若者の自立ために義務教育を終えても中学生までの基礎学力を学び直せる機会をつくる。
22 ヤングケアラーへの支援強化のため、実態調査の実施。
(5)障がいがある人もない人も共に生きる社会をつくる
23 自殺防止対策の一環で、市民にもにゲートキーパー研修を受ける機会を広げる。
24 よりよい社会を実現するため、障がい者雇用、男女共同参画、適正な労務基準に則った職場環境などに努力する事業者への評価ができるような政策入札を行う。
25 高齢者、障がい者、疾病などのケアラー(介護者)への支援を進めるため、相談窓口の設置とケアラー手帳の作成と配付を行う。
26 8050問題とケアラー支援は、複合的な問題に対して一元的に対応する「断らない相談窓口」の設置と福祉保健部と関連機関が連携して対応するしくみをつくる。

*「断らない相談窓口」…市町村などの自治体が、住民が抱える複合的な課題に一元的に対応する「断らない窓口」を設置するという「地域共生社会関連法」が2020年6月に参院本会議で成立した。

(6)高齢になっても安心して自分らしく暮らせるまちにする
27 ひとり暮らしの高齢者や認知症の増加が見込まれている状況から、市民後見人養成講座の開催などで、地域で支え合えるネットワークを充実させる。
28 総合事業は、専門性の確保で進める。
29 対象者であるが利用しない人の声を訊き、交通弱者の現状把握を行うとともに、路線の見直しや増便で福祉バスをもっと利用しやすくし、免許返納をしても移動手段が確保できるようにする。
(7)住み続けたいまちづくりを市民参加でつくる
30 市民からの要望がおおいコミュニティバスの導入検討。
31 やさしい日本語の活用を進めるため、庁内でも表示に活用するなど具体的に取り組む
32 多様な市民活動が活性化する支援を行う。
33 市民との協働について、市民と職員が一緒に学ぶ研修を行う。
34 公共施設の建設・改修の際には、平常時に市民が自由に使え、災害時に避難所などに有効活用できるスペースをつくる。
35 公共施設や公園等、市民が直接使用する場所についての建設や改修の際は、市民へ事前段階での充分な情報提供と意見聴取ができる場を設ける。
(8)性別にかかわらず「働く」「暮らす」を共に分かち合う社会をつくる
36 DV被害者への支援のさらなる充実と、加害者が更生するための支援。
37 DVについて、子どものころからの啓発。
38 性別に関わらず全年代に向け、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(生涯を通じた性と生殖に関する健康と権利)について参加しやすい生涯学習の機会をつくる。
39 性的少数者(LGBTQ)への偏見や差別をなくすための理解を広める学習の機会をつくる。
(9)貧困の連鎖を断ち、希望をもって学び、働き、生活できる社会をつくる
40 生活困窮者の自立支援体制の強化、若者から高齢者まで、一人ひとりの状況に応じたパーソナルサポート体制をつくる。
41 生活困窮に至らないように、家計のやりくりなどお金の知識を、子どももおとなも学習できる機会をつくる。
42 子どもの貧困対策の推進のための調査を行う。
(10)いのちを育む「食」と「農」を守る
43 学校給食は、安心安全な食材にこだわり、遺伝子組み換え、ゲノム編集食品の疑いのあるもの、添加物、化学調味料などを使わない自然なものを使用する。特にパンや麺類などの小麦粉は国産にする。
44 原子力緊急事態宣言が解除されていないので、給食食材の放射性物質の検査を、細かな数字まで測れる測定所に出し定期的に測定することで、安全性の確認を行う。
45 長期休暇中の子どもが健康的な食生活がおくれるように、学童保育に給食を実施する。
46 フードマイレージやフェアトレードについてや、食と環境問題の関連など、食をめぐる状況を地球規模で考えられる食育を進める。
47 市民参加で地域の農業を守り地域の活性化をさらに図る。
(11)減災・防災対策には、福祉や環境の視点を優先する
48 防災政策に女性・子ども・障がい者・高齢者の視点を活かすため、当事者の意見を徴収し
政策に取り入れる。
49 総合防災訓練には市内の日本語学校等と連携し外国人や日本語ができない方への参加を呼び掛ける。
50 情報(防災、災害)メールの英語版とやさしい日本語版の配信。
51 学校や保育園、幼稚園、病院、高齢者施設などと地域が連携して行う防災訓練の実施。
52 地下水を日常的に活用できる設備を公園等に設置し、災害時に有効活用できるように備える。
53 原発事故を想定した防災計画は、現在、川崎市にある実験炉での事故を想定しているが、さらに広い範囲での事故やテロについての想定に変え、内容も具体的に、安定ヨウ素剤の備蓄や緊急時の使用方法の規程の整備などを市が主体的に進める。
54 避難所でのプライバシーを確保するためのテントなどの機材の充実。
55 災害時の電源確保のため、自然エネルギーを活用できるソーラー照明器具(防災用コンセント)等の設備を公共施設や公園などに設置を進める。
(12)原発ゼロ、環境保全で持続可能なまちをつくる
56 市有施設の電力調達は、再生可能エネルギーによる電力供給を重視した電力会社を選択する。
57 化学物質(除菌・消臭材や、合成洗剤・柔軟剤の香料など)の使用が、アレルギーや化学物質過敏症を誘発する危険があることを啓発する。
58 ごみ減量・プラスティック製品の排出削減のため、3Rのうち特に2R(リデュース、リユース)の推進を、市民みんなで取り組む体制の充実。
59 公共施設の自動販売機で扱う飲料は、紙コップや缶などペットボトルを使用しないものにする。
60 地下水の安全を守るため、発がん性が指摘される有機フッ素化合物のPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)について、水質の調査項目にいれる。
(13)憲法を活かす、人権・平和をまもる社会を地域からつくる
61 横田基地増強反対の継続。
62 横田基地へオスプレイが配備されたので、低周波測定装置を市内に設置と、飛行の監視強化。
63 多様な民族を認め合う異文化理解と多文化共生のまちにするため、市民への働きかけを含めた
諸施策の充実。