横田基地周辺井戸の有機フッ素化合物汚染について原因究明を求める要請を福生市に提出

最近、横田基地周辺の井戸から有機フッ素化合物が高濃度で検出されたとの新聞報道がありました。

 

福生市の水道水は、季節により変動がありますが今は、6割ほどが地下水です。横田基地からは、これまでもさまざまな有害物質が漏出しており、周辺住民の不安が募りました。今回検出されたPFOSとPFOAは横田基地内でつかわれる泡消火剤の成分でもあります。

 

福生・生活者ネットワークは、都議会生活者ネットワークの山内れい子や、近隣の生活者ネットワークと共に情報収集を行い、予防的視点で汚染の現状把握が必要と考え、福生市長に対し、市議会議員・三原智子とともに、「横田基地周辺井戸の有機フッ素化合物汚染について原因究明を求める要請」を行いました。

 

要請文は、福島副市長に提出しました。
副市長は面談で、新聞報道には驚いたが、東京都のホームページによると飲料水について影響がないとのことで、安心している。自然界にない物質が検出されるのは心配であるが、PFOSとPFOAについての国の基準がないので対応に苦慮しているとのことでした。また、地下水脈がどのように流れているか、はっきりわからず、仮に汚染物質が流出しても、検出されるまで時間がかかることも考えられる。横田基地で最近、泡消火剤を使ったわけではないが、過去に使ったものが検出されたか、また横田基地以外のものかは特定できないとのことでした。

 

以下は、提出した要請文です。

 

 

 

福生市長 加藤育男様

令和2年 1月 16日
福生・生活者ネットワーク 代表・風間千晶

横田基地周辺井戸の有機フッ素化合物汚染について原因究明を求める要請

先日、横田基地周辺井戸から有機フッ素化合物が高濃度で検出されたと新聞報道がありました。東京都福祉保健局の昨年の調査で、立川市内にある井戸でPFOSとPFOA合わせて1,340ナノグラム/ℓ、武蔵村山市内にある井戸で143ナノグラム/ℓ検出されたとのことです。有機フッ素化合物は分解されにくい物質で、生物中に蓄積され人体への影響が懸念されており、POPs条約や化審法で規制されています。アメリカでは、環境保護庁がPFOS・PFOA合計で70ナノグラム/ℓという飲料水の目標値を示しています。
沖縄県では、米軍基地周辺の水道水源が汚染され、浄水場で活性炭を使って除去し配水しています。日本には、PFOS・PFOAの環境基準や水道の水質基準の設定がないため、沖縄県知事が基準設定などを国に要望し、ようやく今年何らかの基準を設定するとのことです。
福生市内には下の川を中心に多くの湧水が点在しています。地域の貴重な財産であり住民の誇りでもあります。また、市も市民とともに地下水の涵養に努力されています。市の水道水の7割から8割は地下水を使用していること、地下水脈のつながり等が明確でないことを考えると、報道された都の調査結果は市民の健康に不安を与えたものと考えます。
これまでにも、横田基地から様々な有害物質が漏出し周辺環境の汚染が指摘されていますが、米軍から情報が全く開示されず原因究明に至らないことが多く、周辺住民の不安を払しょくできないことは誠に遺憾です。
福生・生活者ネットワークは、福生市の環境と市民の健康を守る観点から、日本政府及び米軍に対して、基地内の地下水調査の結果や泡消火剤の使用状況等を明らかにし、汚染の原因を究明するよう福生市として働きかけていただくよう強く要請します。
併せて、水道水に地下水を使用している自治体として、都が行った飲用井戸の調査をさらに拡大して各水道水源井戸の調査を早急に行うよう都に働きかけていただくよう要請します。

 

東京都水道局

http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/topic/20191115-02.html

 

都議会生活者ネットワーク 山内れい子

横田基地周辺井戸の有機フッ素化合物汚染について原因究明と汚染除去を求め要請 都議会生活者ネットワーク 山内れい子