遺伝子組み換えナタネの自生全国調査
★GM(Genetically Modified)遺伝子組み換えのこと
食用油の原材料として輸入されているGMナタネ種子
日本には毎年多くの遺伝子組み換え(GM)作物が輸入されています。GMセイヨウナタネ種子もそのひとつで、主になたね油として食用油の原材料として使用されています。
「なたね油」の名称で販売されていなくても、サラダ油やキャノーラ油の原材料として使われていたり、ドレッシングなどの加工食品に使用されていることもあります。
セイヨウナタネの自給率は低く、ほとんどがカナダなどからの輸入で、GMである割合も高いです。遺伝子組み換え食品(ゲノム編集食品も含め)は、人への安全性や環境への影響が未知であり、福生ネットでは学校給食などに使わないよう要請しています。
自生の広がりが懸念されています
日本では栽培されていないGMナタネですが、2005年以降のGMナタネ自生全国調査活動や、他団体の調査、農水省・環境省などの各種調査により、カナダから輸入したGMセイヨウナタネの国内自生問題が明らかになっています。
種子を輸入して陸揚げされる港の周辺や、製油所に通じる幹線道路沿いを中心に、搬送中のこぼれ落ちが原因で自生しているのが確認されています。またGMナタネ種子とは知らずに播種した可能性も考えられます。
これまでの調査で、ナタネの水揚げのない小樽港や八戸港、内陸の群馬県前橋市でもGMナタネが見つり、ナタネの輸送経路以外でもGMナタネ自生の広がりが確認されたのをはじめ、名古屋港周辺では、GMナタネと他の植物との交雑も見つかりました。
2022年の調査結果は、37都道府県で合計934検体を検査し、36検体が遺伝子組み換えと分かりました。
福生市で採取したセイヨウナタネは不検出
GMナタネ自生全国調査では、市民が身近に自生しているナタネを採取し、検査キッドを使ってGMナタネかどうか調べます。
福生市では初めて参加しました。横田基地・滑走路そばの五日市街道沿いに自生していたセイヨウナタネを採取し、検査しました。一検体で2種類の遺伝子組み換え検査をします。モンサント社のラウンドアップ耐性のあるGMナタネと、バイエル社のバスタ耐性のあるGMナタネです。(下記補足参照)
結果はどちらも陰性でした。一検体で検査キットも一つしかなかったので、福生市には自生していないとは言い切れませんが、ひとまずホッとしました。
しかし、実際に別の場所では検出されています、輸入も続いていきます。GMナタネの自生が拡大すると環境にどんな影響やあるのか予測できませんが、実態を把握しておく必要はあります。
補足 遺伝子組み換えについて
また、GM種子は通常の種子より高く、除草剤とセット販売されるので、企業の利益がおおきく、農家の経済的負担が重くなってしまう事例も報告されています。