公民館で「子どもの権利条約」講座 子どもの権利条約を福生市でも活かそう!
子どもの権利条約についての公民館講座に参加しました!
「子どもの権利条約」~大人が理解し、子どもと守る子どもの権利~
3月14日 福生市公民館主催事業 子どもの人権講座
場所:さくら会館 講師 安部芳絵さん(工学院大学)
1989年 国連子どもの権利条約が採択される ⇒ 日本政府は1994年批准しました
現在、196の国で締結されています。
この条約の大きな4つのポイントです。
■第2条 差別の禁止
■第3条 子どもの最善の利益
■第6条 生命への権利、生存・発達の確保
■第12条 子どもの意見表明権
講師から、「子どもの権利条約」を子どもにも読みやすく書いたものをご紹介いただきました。
まずは一回読んでみてください。
自由にダウンロードできるそうです。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(Save the Children Japan
この条約をもとに「子どもの権利条例」を制定している自治体が徐々に増えています。
近隣の、日野市、小金井市、西東京市でも各市に生活者ネットワークがあり、協力して条例を作りました。福生ネットでも設立当時より、福生市に「子どもの権利条例」を作ることを政策のひとつにしています!
講師の阿部先生のお話はわかりやすく、やっぱり今の日本の社会には必要!とあらためて思いました。
☆講師の安部先生のお話から
子どもの声が聞かれない社会
今の日本は子どもを迷惑な存在とみなしていないでしょうか?
公園で中学生が集まって遊んでいただけで通報されたりしています。
幼稚園や児童相談所が迷惑施設として建設を反対されたりしています。
そして、子どもには、「指導する」とか「言うことを聞かせる」という態度で接してしまいがちではないでしょうか。
コロナ禍の中、子どもの自殺が増えてしまいました。
子どもは相談するのが恥ずかしいとか、助けてと言っていいかどうかわからないとか、相談してもよくならないとか、SOSが声に出せないような社会になっています。特に男の子は男とは強くなければならないというような思い込みを押しつけられていて相談がしずらいようです。
おとなが子どもの権利とは何かを知っている必要性があります。
「ものさし」としての子どもの権利
スウェーデンが、コロナ禍の中で【子どものためのコロナ記者会見】を開きました。「なぜ誕生日パーティーをしてはいけないの?」など子ども記者の質問に首相や大臣が答えています。子どもの権利第12条の子どもの意見の尊重が活かされています。
コロナで楽しみな行事ができないことも、ただ「ダメ!」ではなく、何故だめなのか、子どもと向き合って、納得してもらうまで根気よく話していく。めんどうなようでも、対話することで子どもは自分で考え行動できるように育っていきます。
「子どもの権利条約」は、子どもの根をしっかり育てるためになるという講師のお話しに共感しました。辛いことを乗り越えるには、心の根がしっかりとはっていることが大事です。でも おとな はとかく根より葉や実を見てしまいがちです。テストの点とかスポーツで好成績だったとか…。
ぜひ「子どもの権利条約」を子どもにも、おとな にも、みんなに知ってもらいたいですね!
☆子どもの権利条約を批准した日本は
ビックリしますが、子どもの人身売買は16年ほど前まで日本では罰せられなかったのです。東南アジアの未成年者が親に売られて日本に来て意に沿わない過重な仕事をさせられています。摘発すると不法入国者として強制送還していました。子どもの権利からすると保護されるべき子どもが自分を売った親の元に帰されてしまっていました。業者も罰せられません。2005年に法律ができ、やっと業者が罰を受けるようになりました。
日本は以下のような法改正を行なっています。
児童虐待防止法(2000年)
人身売買罪(2005年刑法改正)
児童福祉法を改正して子どもの権利条約を明記(2016年)
親による体罰禁止(法改正2020年より)
☆子どもの権利条約を福生で活かす
「子育てするなら福生 」のキャッチフレーズでがんばっている福生ですが、これは親の視点からの子育て支援ともいえそうです。
では、子どもの視点に立った支援とは何でしょう。ガイドラインとなる「子どもの権利条例」のある自治体も増えています。
子どもの困ったを解決するためには、ナナメの関係のおとなが有効と安部先生。親や先生でもなく、友達ともちがう。ちょっと距離感をもったおとなが子どもには話しやすいようです。友達への相談では一緒に困って解決できないこともあります。
学童クラブやふっさっ子の広場、児童館の職員やボランティアなどナナメの関係になるそうです。
ナナメの関係のおとなが、子どもの権利条約を知って活かしていけたらいいですね。
世田谷区のように子どもの相談機能があるところもあります。
せたがやホッと子どもサポート
rifusohugakusei.pdf (setagaya.lg.jp)
福生はコミュニティスクール制度を導入しましたが、このコミュニティスクール制度のなかで、子どもの意見が反映させやすくできる可能性もあるようです。
ぜひ福生市でも、子どもに係る方も、あまり機会がない方も、みんなで考えていけたらと思います。