「原発をとめた裁判長」上映会報告

「原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち」
一度事故を起こしたら簡単にはもとに戻らない原発は、新たな環境問題の解決策としてや、電力を大量消費するデジタル社会での必要性がいわれてもいます。
しかし地震の多い日本で、地震発生の度に事故が心配される原発です。
地域に住む方々と一緒に映画を見て原発について考え合っていきたいと思い、
福生ネットも所属する生活クラブ運動グループにしたま地域協議会で上映会を行いました。

原発を止めた裁判長表のサムネイル●日時:2024年12月7日(土)14時~16時
●会場:羽村市コミュニティーセンター3Fホール
●主催:生活クラブ運動グループにしたま地域協議会

会場のコミュニティーセンター3Fホールは、エレベーターが故障して使えないという不便な会場条件でしたが、40名に参加していただきました。また、福生市、羽村市、瑞穂町の市議・町議に案内を送ったところ5名に参加していただきました。「この映画を観てみたかった」と思ってきてくださる方が多く、期待感のある上映会でした。

映画では樋口元裁判官と各地で原発裁判の原告とともに戦う河合弁護士の対話や、原発の耐震性の数値などがわかりやすく説明されていました。福島県の農家がソーラーシェアリングに取り組む様子も紹介されていました。
私が映画で最も印象に残った言葉は、「環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである」という樋口さんの言葉です。原発推進するにあたり「原発はCO2の排出が少なく、環境問題に寄与する」ということが理由として挙げられています。大量の放射能を抱えたゴミを見ると、環境問題に寄与するようにはとても思えません。一たび事故が起きた時のことは基本的に想定外なのだと感じました。

原発はいらないと思う方、原発は良くないと思うけれど、どうしていくのがいいのかわからないという方、原発が資源のない日本には最適だと思う方、様々な考え方があります。すべての人に欠かせないエネルギーである電気のことを、みんなが自分事として捉えてほしい、そして未来を一緒に考え合っていきたいと感じた上映会でした。

上映終了後には、デンマークとドイツで自然エネルギーの取り組みを視察した、たま北生活クラブ生協の岡田理事の話や、生活クラブ生協が取り組む自然エネルギーの話を皆さんに聞いていただきました。参加者からの質問や意見もありました。

映画を観た方の感想を紹介します!

★やっぱり観て良かったです。樋口裁判長の理論、原発そのものについて、大変わかりやすく、一人でも多くの人に観てもらいたい映画だと思いました。

★すぐれた裁判官がいること、弁護士の会があること、ソーラーシェアリング農業をする若い人々の増えていることを知ることができて良かったです。さいごのあたりで、「希望」という言葉が出てきましたが、人は希望がなければ生きられないということを強く感じました。

★ソーラーパネルが使用できなくなった場合、廃棄のための問題はないでしょうか。普段、目の前ことしか気にならないような生活をしていますが、この上映会をはじめとして学んでいこうと感じました。映画の中で「希望がある」との言葉が残りました。まずは“知る”ことですね。
(注:会場でもソーラーパネルのリサイクルについての質問が出ましたが、生活クラブ生協でんきスタッフの答えによると、現在のソーラーパネルは大部分がリサイクル可能とのことでした)

★普段の情報を受けるだけでは知らないことばかり。こういう機会で世の中頑張っている人の様子を知って、日本人のみんなが、脱原発の議員を選んでほしい。

★とても感動的でした。大飯原発の裁判のことは知っていました。私たちの暮らしにはエネルギーは欠かせません。そして、食も欠かせません。農業の太陽光発電もとても良かったです。地震の多い日本だからこそ、原発ではなく違うエネルギーの工夫もできるはずだと思います。

(会員:スエナガ)

 

上映会場で司会を務めた三原智子

原発の必要性について参加者へシールアンケートを行いました

デンマークとドイツの視察報告