児童発達支援センター視察
今年4月より福生市福祉センター内に開設された福生市児童発達支援センターを福生・生活者ネットワークで視察しました。
(8月7日)
福生市児童発達支援センター
相談窓口では、0歳から18歳未満の児童及びその家族からの発達に関する相談を受け付けています。
個別の専門的なアドバイスや必要な支援を受けることができます。
多様な専門職が、指導目標をはじめ療育の経過や支援内容の計画を作成します。また、配慮を要する点などを小・中学校の就学時や特別支援学校等に引継ぐこともでき、切れ目のない支援につなげます。
4月から始まったばかりですが、療育室の利用者も増えているとのことでした。
保育所や幼稚園と併用する子どももいます。保育所等との連携なども進めたいとのことで期待しています。
療育室
福生市児童発達支援センター内の療育室では、満3才から就学前までの発達に配慮が必要な児童に療育支援を行なっています。心理士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職による早期の療育を行っています。
療育室でのプログラムの始めでは、児童を送ってきた保護者との「親子あそび」から始まります。保護者も子どもとの関係に悩んでいることがあり、専門家を介し安定した関係をつくることを目的とします。
体を動かしたり音楽や美術での楽しい遊びを通して、発達や人とのコミュニケーション力を育んでいきます。
三原智子が、作業療法士についての学習会の報告をしていますので、あわせてご覧ください。
作業療法士(OT)からみた子どもの遊びと発達 | 三原智子
また、子どもにもわかりやすく一日のスケジュールを示し、食事、排泄などの身辺自立も進めています。
福生市こども家庭センターも視察
こども家庭センターも同日に視察しました。
以前の子育て世代包括支援センターと子ども家庭支援センターを統合し、今年4月から保健センター2階に開設されています。
妊娠の届出から出産、子どもに関する相談までを切れ目なく実施します。今までも、妊娠中から支援を要する妊婦や家庭等の支援に当たっては、健康課の子育て世代包括支援センターと子ども家庭支援課の子ども家庭支援センターの両課で毎月定期的に会議を開催し、支援の内容や役割分担などを検討し、包括的に対応していました。そのような統合前からの実績もありますが、統合により、さらに支援しやすく改善されたことを確認しました。
参考・児童福祉法改正について
今年4月に施行された改正児童福祉法は、全ての妊産婦や子育て世帯、子どもに関して一体的に相談支援を行う機能を有する「こども家庭センター」の設置に努めることを、各市区町村の努力義務としました。
市区町村には、母子保健法に基づき、妊産婦や乳幼児の保護者の相談を受ける「子育て世代包括支援センター」と、児童福祉法に基づき、虐待や貧困などの問題を抱えた家庭に対応する「子ども家庭総合支援拠点」(福生市では子ども家庭支援センターが該当)が併存していました。しかし、二つの機関で情報が十分に共有されず、支援が届かない事例が指摘されていました。児童虐待の相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきています。
国は二つの機関を統合して体制を強化することで、支援が必要な家庭の見落としを防ぎ、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化等を行うことを目的としています。
23年4月に内閣府の外局として創設した「こども家庭庁」が所管しています。
(報告:会員 クロサワ)