「女性と政治と未来ゼミ2024」参加報告

東京・生活者ネットワークは、40年前から政治をお任せにしないで、生活の道具として使っていこうと、地域の政治団体として活動してきました。くらしの中から感じたゴミや水などの環境問題や、主に女性が担ってきた介護・福祉の問題、子育ての中で感じる子どもの権利の問題などを、市民として行政や議会への請願活動、議員を送り出しての議会活動を通して政治の表舞台に上げてきました。

くらしの中での気づきを共に考え、活動し、よりよく生活を変えていくことのノウハウを共有しようと参加者を募集して7月から10月にかけて「女性と政治と未来ゼミ2024」を開催しました。以下、参加した会員の報告です。

「女性と政治と未来ゼミ2024」参加報告
生活者ネットの元議員や現職議員が講師となり、それぞれが取り組んだテーマについて、どう運動を続けてきたのかという方法を共有するという講座でした。
主に20~40代の女性が対象で、大学生からお子さん連れの方も参加していました。

毎回講座のテーマは違い、「水」「子どもの権利」「ゴミ」「ハラスメント」など様々な分野にわたり、どのテーマについても我がまちではどう扱われているのだろうということがどんどん気になってくる講座でした。
印象深かったテーマが2点ありました。

①防災について
立川・生活者ネットの「防災かまどベンチ調査」のお話です。
市内の公園にあるかまどベンチを実際に使用するという調査では、公園緑地課と防災課で管轄の違いがあるなど、調査してみないとわからないことがあったそうです。私自身「災害が起きたら避難所が開設される」と知っていても、運営や設備などについては自分の住んでいる自治体でも知らないことばかりで、自分の命に関わることを行政任せにしていてはいけないなと気づかされました。

②人工芝について
江戸川ネットの「人工芝」についてのお話です。
人工芝は主に合成樹脂でできていますが、紫外線による劣化や摩耗で、細かなホコリとなって河川や海に流入してしまいます。国内で流出したマイクロプラスチックは年間140トン、そのうち22トンが人工芝だそうです。人工芝は天然芝に比べて管理が楽なので公共施設でも導入されていますが、マイクロプラスチックに対しての対策は完璧なものではありません。
江戸川区では校庭の砂の苦情対策のため小学校でも導入が進んでいるそうですが、人工芝そのものの化学物質が与える子ども達への影響など、導入したらそこで終わりとはならないので、管理と調査を続けてもらわなければなりません。自治体が推進したことに対して常に監視の目をもつということが大切だと感じました。

実際の議会を傍聴

また9月には実際の議会を傍聴する機会があり、国分寺市議会と杉並区議会を傍聴しました。傍聴後には都議や区議と懇談の場を設けていただき、貴重な体験となりました。
自治体によって議会進行のルールが違うことや、野次の応酬がある議会があることを知り、驚く事ばかりでした。「くらしは政治」とはわかっていても、自分が住むまちの市議会の傍聴経験もなく、当然、都議会や国会にも全く興味を持てないところに、我がことながら愕然としました。
自分の投票した議員や自分の選挙区で当選した議員が何を質問したのかというところは最低限チェックしなければと思いました。

よりよいくらしを築くために
40年前から、生活者ネットは市民として、行政や議会への請願活動、議会活動を通して問題解決への運動を続けてきました。くらしのなかにある多くの課題に頭を抱えてしまいそうになりますが、元都議から、「『この分野ならこの人』と言われるようになること」「実態調査が大切」というお話を伺いました。よりよいくらしを築けるよう学び、考え、声をあげていかなければと感じた講座でした。
(会員・スエナガ)