憲法学習会「檻の中のライオン」 開催しました! ~福生ネット設立15周年記念~
報告が遅れましたが、表記の学習会を開催しました。
憲法を守らなければいけないのは誰でしょう?憲法99条に書いてあります。
第99条「天皇又は摂生及び国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。」
憲法を守る義務は、政治家や公務員など国家権力を持った人たちにあります。
弁護士の楾大樹(はんどう たいき)氏に、『国家権力をライオン』に、『憲法を檻』に例えた、憲法の話をしていただきました。
長い歴史の中で、人々は「権力は腐敗しやすい」ことを学びました。そこで、権力(ライオン)を縛るために憲法(檻)をつくりました。これを『立憲主義』といいます。日本は立憲主義の国です。
旧憲法(大日本帝国憲法)は、ライオンが自分でつくった檻でしたので、檻から自由に出入りできました。ライオンが檻から出ている動物園では、私たちは安心して過ごせません。
現行憲法では、国家権力が暴走しないための仕組みとして、法律を作る立法(国会)、法律を執行する行政(内閣)、法律を適用して紛争を解決する司法(裁判所)の三つにわけ、たがいにチェックし合うしくみにしていたり、基本的人権を、侵すことのできない永久の権利として定め、国家は個人からこれらの権利をうばうことはできないと規定しています。
しかし、自民党の改憲案を見ると、この「檻」が弱くなっていることがわかります。
例えば第21条は、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」との現行規定に「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」という条文を追加しようとしています。
これだと権力者が「公益及び公の秩序を害する」と判断したら、表現の自由が許されなくなってしまうことになってしまいます。
安倍政権は改憲に意欲的ですが、国民が条文の意味を知らないままでは、大事な国民の権利を侵害するような改憲が行われてしまう恐れがあります。
憲法には、国民の義務も定められています。
第12条「この憲法が国民に保証する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。…」
国民は、檻から出たがるライオンを檻に入れておく『不断の努力』をしなければいけないのです。
当日は40名を超える参加者で会場はいっぱいになりました!参加者アンケートでは「わかりやすかった」「基本的なことで大事」など、感想をいただきました。
憲法改正論議の前に、まずは憲法のこと、「知ること」が大切です。
生活者の立場から、政治の決定の場に参加して行こう!と始まった福生・生活者ネットワーク。記念すべき15周年企画で、大切なことをあらためて学ぶことができました。
今年度も多くのみなさまにたいへんお世話になりました。
本日大晦日。明日からの新しい年がみなさまにとって、素晴らしい年となりますように。