福生市民会館3階 第3集会室にて
東京で最初に震災瓦礫を受け入れることになった大田区の区議・奈須りえさんは、以前よりアスベストなどの廃棄物問題に取り組み、震災瓦礫広域処理についても、現地の視察や調査活動など積極的に行い、区議会や講演会、ブログなどで問題提起しています。
安全性 震災前は、100ベクレルがリサイクルの基準であったものが8000ベクレルが通常の処分(埋め立て、エコセメント)できるようになったのは、根拠が不明である。有害物質は放射能だけでない。
情報公開・説明責任 通常産廃ルートに乗るものまで、一般廃棄物で計算したデータを発信、瓦礫の2割ほどの広域処理が進まないことが、瓦礫処理の一番の問題であるかのような報道のしかたに問題はないか?
決定の過程 清掃事務は各市区町村に決定権がある。都知事が受け入れを表明したからといって決定する権限はない。
処理計画 処理期限は26年3月とされていますが、合理的理由があるわけでもなく、各自治体の意向も反映し切れているとは言えず、近隣との処理調整もなされていない。
処理費用 阪神淡路大震災のときの瓦礫処理単価より3倍弱高い処理費用は、放射能対策もありますが、広域処理のための輸送費が37%を占めています。23年度については自治体負担はありませんが、その後は5%の自治体負担になります。その総額は600億円と試算されています。産廃業者が請け負う金額や分別にかかる費用なども、無駄のないお金の使い方になっているか疑問があります。
阪神淡路大震災の時は、瓦礫をどかせばすぐ、新しい建物が建っていきました。しかし今回は、津波で地盤沈下したところを直したり、高台への移転なども考えねばならず、復興計画づくりに時間がかかっています。広域処理が進まないから、復興が進まないと私たちが思い込んでしまったら、被災地の現状を正しく理解できず、被災者を苦しめてしまうことにならないでしょうか?
また、広域処理は、「国が決めた」「都が決めた」としても最終的には各自治体が決めています。ということは責任をとるのは各自治体です。責任の主体者として、広域処理の問題に取り組まねばいけないと思いました。