数の民主主義から対話の民主主義へ 

11月21日、東京・生活者ネットワークは「2021政策発表集会」をオンライン開催しまた。

基調講演で、福嶋浩彦氏(中央学院大学教授、元消費者庁長官、元我孫子市長)のお話で、これからの時代に、みんなが暮らしやすい社会をみんなでつくっていくためにどうしたらよいかのヒントをいただきました!

オンライン集会のスクリーン
2段目左2人目が福嶋浩彦氏。

 

基調講演 「対話」で描く東京の自治ー市民がつくるコロナ後の社会 (講師:福嶋裕彦氏)より

真ん中の人たちに焦点をあてる

道路建設、原発など社会問題には賛成・反対・どちらでもない人(真ん中の人)がいます。どちらでもない真ん中の人は、無関心の人と位置づけられやすいのですが、実は今は賛成でも反対でもないけど、いろいろな意見を聞き判断しようとする人もたくさんいます。この真ん中の人たちが中心になって両端の賛成、反対の意見を聞きます。この時、どちらが正しいとかではなく「私」はどうありたいかという議論を重ね、みんなで結論をだしていきます。

福嶋氏は、この実践のため、無作為抽出した市民に呼びかけた「自分ごと化会議」を、島根原発や公的施設などをテーマに各地で市民や自治体と共に実践し、とてもよい議論ができたそうです。

意見公募では、すでに結論を持った人だけになり、賛成は賛成のまま、反対は反対のままになってしまう傾向があります。真ん中の人に議論に入ってもらうための工夫と実践は素晴らしいと思いました!

自分ごと化会議 | 一般社団法人構想日本 (kosonippon.org)

人口減少社会での「やわらかい社会決定」

今、人口減少社会が進んでいます。人口が増加していた時代は、市民の要望をアレもコレもすべて実現しようとしました。そして声の大きさ、数の多さで要望の優先が決まりました。しかしこれからの人口減少社会では アレもコレも実現はできません。アレかコレか、あるいはアレとコレが混じった案をつくっていかなければなりません。声の大きさや数の多さで要望が実現するのではなく、多様な意見の人が議論し合意を形成してく「やわらかい社会決定」、数の民主主義から対話の民主主義へ変わっていくことが必要です!

「私」がやりたいことができなくならないように、ひとりひとり違う「私」が集まって合意をつくっていく場が地域に必要です。

 

オンライン化への危惧、地方政治のあり方など
福嶋氏はコロナ後は経済復興が結一の正義になってしまう危険性や、オンラインで深く対立するような議論ができるかを危惧していました。市役所などでもオンライン申請が進み、職員が市民とのちょっとしたコミュニケーションが減ってしまうのではないか。市の職員はオンライン化で業務が効率化されたら、あまった時間で街に出て市民に出合う機会を増やしてこそ、オンライン化の成功であるとのこと、同感です。

また、自治体はまず「市民」をみるか「国」をみるかを問われました。中央政党は地方政治を国政選挙の手足としている面があるのではないか。中央政党の地方支部の長は国会議員だったりするのはよくあり、地方政治の主体性に疑問を呈していました。生活者ネットワークのように、市民から出発したローカルパーティであることは意義があるとの言葉をいただきました。

 

多様な市民の議論の場を!

福嶋氏から「2021東京政策」について、私たちがありたい姿が見事にまとめられているとの講評をいただきました。
次のステップとして現実とのギャップを埋めるために何をするか、都でやること、市区でやることを分け、市民みんなとの話し合い他の政党の方々とも自由に議論していくことで政策が鍛えられていくとのアドバイスをいただきました。

生活者ネットワークには、多様な市民の議論をリードしていってほしいとの要望をいただき、みんなで話し合う大切さを再認識しました。

 

「2021東京政策」は昨年スタートした東京・生活者ネットワーク政策委員会が中心になり、福生・生活者ネットワークも含めすべての地域ネットで議論を重ねて完成しました。(黒澤)

東京・生活者ネットワーク事務所をキーステーションにして開催しました。

2021年夏の都議会議員候補予定者として擁立が決定している小松久子(杉並選挙区)