産業廃棄物処理と自然との共生 石坂産業を見学

5月26日、広報ふっさで参加者を募っていた、ふっさ環境市民会議主催の「産業廃棄物の再資源化・自然との共生を学ぶツアー」に参加しました。

ツアーでは、埼玉県三芳町にある廃棄物処理業者の石坂産業株式会社を訪ねました。

廃棄物を積んだトラックを受けいれるゲート

緑の森林の中の道をバスで行くと、廃棄物運搬のトラックを受け入れる巨大なゲートが現れました。

この石坂産業では、家など建築物の廃棄物を専門に、中間処理しています。

工場を囲む高い塀も壁面緑化や楽しい絵でペイント。案内の社員さん

大きな工場内には、安全な見学路が設けられています。廃棄物処理工場は周辺の住民には心配な施設でもあります。どんなことをしているのか見てもらいたくて見学路をつくったそうです。

トラックからおろされた廃棄物

工場内では、まずトラックからザーとおろされた廃棄物を重機の手でガバーとすくって細かく粉砕する機械へ入れます。その豪快さにしばし見とれました。大量の粉じん舞い上がる中ですが、周囲には影響ないよう十分配慮しているとのこと。私たち見学者にもホコリは届きません。

いくつもの分別工程。人の手でも丁寧に分別。

石原産業は、リサイクル率98%を達成したそうです。
木くず、プラスチック、電線コード、紙、金属などなど何工程にもわたって丁寧に分別していました。

リサイクルされた後の見本の一部です。

すると最後は写真のように、再利用できる素材が生まれていきます。

でも、どうしても分別できない「わからないもの」が2%、と残念そうに説明してくれました。その2%が最終処分場で埋め立てられます。

最終処分場の許容量はひっ迫しています。石坂産業の方から、100%リサイクルするためには、リサイクルできるものを作るということが大事です。それは、うちの会社ではできません。消費者が、リサイクルしやすいものを作るよう、メーカーに求めて欲しいとお願されました。

工場周辺に広がる手入れの行き届いた里山

そしてまた、この会社では、自然との共生を目指して、工場周辺の広い里山を手入れしています。昔は活用されていた里山ですが、近年ではマキや、落ち葉の堆肥などが必要なくなり、荒れた暗い林になっていました。それを美しく気持ちいい里山に蘇らせました。農業法人を立ち上げて、落ち葉の堆肥を使うなど、循環型の農業までやっています。

森の中にはアミューズメントパークもあります。

広い里山の中には、楽しい公園もあって、一日遊んでいられそうです。

農業法人で作った野菜をふんだんに取り入れたお弁当。

お昼は、ここで作ったおいしくヘルシーなお弁当を頂きました。
レストランもあり、お客さんで賑わっていました。

なんで、石坂産業は、ここまでがんばったか?
1999年、所沢市の葉物野菜から高いダイオキシン濃度が検出されたとニュースで話題になったことをおぼえていますか?ダイオキシン発生元として当時の石坂産業が、相当叩かれました。結局は、誤った報道だったのですが、そのことを契機に環境保全や社会貢献をするようになりました。危機を乗り越え進化したんですね!

案内や説明をしていただいた社員さん以外にも、行き合う社員さんが笑顔で挨拶してくれたり、社員のやる気の高さを感じる会社でした。社員の意見を積極的に取り入れているそうです。随所に細やかな配慮も感じました。社長には会えなかったのですが、写真で見ると素敵な女性でした!女性ががんばっているのも嬉しいです。

リサイクル率98%の会社に学んだこと
●とにかく分別が大事!
●なるべくリサイクルしやすい商品を選ぶこと
がんばって実践していきたいと思います。

(会員・黒沢)