ここが問題! 憲法改正の是非を決める「国民投票法」

2018年5月1日 17時42分 | カテゴリー: トピックス

5月3日の憲法記念日を前に、東京・生活者ネットワーク主催の緊急国政フォーラム『ここが問題!憲法改正の是非を決める「国民投票法」』が開催されました。
(4月26日 東京生活者ネットワーク会議室にて)

安倍首相は2020年改正憲法施行への意欲を示し、また、11年前に成立した「国民投票法」をもとに憲法改正審議の場ともなる「憲法審査会」も動き出しています。
「憲法改正」の是非は、最終的には国民投票で決めることになっていますが、国民投票に至るまでの流れや、どんなキャンペーンが繰り広げられるのか、選挙とどう違うのか…など、知らされていないことやわからないことがたくさんあります。その手続きが本格化する前に、具体的に「何が、どうなるのか」「何が、どう問題なのか」を知っておく必要があります。
法学者・政治学者で、シンクタンク「国民投票広報機構」代表の南部義典さんに、国民投票法の問題点についてお話しを伺いました。南部さんは、国民投票法の立案に関与し、以後研究を継続するとともに望ましい制度設計に向けた提言を行っています。

先ずは憲法改正国民投票までの流れが説明されました。
現在は、各党個別による憲法改正項目の検討の段階で、まだスタートラインに立つ前の段階です。
憲法改正原案の起草・提出 → 国会審議 → 憲法改正の発議 → 国民投票運動 → 投票日
細かくは様々な手続きがありますが、概ねこのような流れになっています。

国民投票運動は、原則自由に行うことができ、期間は60日から180日までを定めます。国民投票運動のための費用支出には制限がなく、未成年による国民投票運動も認められています。国民投票運動期間中に選挙期間が重なる場合であっても、政党、政治団体は選挙運動とは別に国民投票運動を行うことができます。
ウェブサイト、SNS、メールの活用のほか、動画投稿サイトへの投稿、勧誘チラシの作成・配布、ポスター・看板の設置、グッズの作成・配布、街宣車、個別訪問、新聞・インターネット、テレビCMなど、自由に行うことができます。ただし、広告の放送は投票の15日前までです。

国民投票法性が残す課題として、7項目があげられました。
●18歳国民投票権の実現と、少年法との関係整理
●選挙と同レベルの、投票環境の向上等の実現
●国民投票運動費用規制のあり方について
●憲法改正の成立要件の見直し(絶対得票率の導入)
●憲法改正案に関する広報のあり方
●国民投票広報協議会の議事公開等
●国民投票番組と政治的公平

もしかすると運動したり、運動に関わったりするかもしれない市民にとって、また、その運動を見て投票を決める市民にとっては、国民投票運動費用規制のあり方については身近なことかもしれません。国民投票運動費用規制のあり方についてでは、国民投票法は国民投票運動を原則自由とする理念から、その費用に対して規制を設けず、憲法改正案に対する賛成、反対の立場から何の制約もなく資金を拠出することができますと説明されています。「自由」「公正」がキーワードですが、金銭に関しては自由になりすぎると、公正さを害する恐れが出てきます。費用をかけることのできる個人や団体の主張が、広く浸透しやすくなるからです。また、運動者に対する収支報告の義務がないため、出所が不明の金銭や多額の金銭が消費される恐れもあります。そこで、費用に上限を設けたり、一定の運動者に対しては登録と収支報告を義務付けるべきではないかとの見解が示されました。

他にも、実際に国民投票が行われる場合の、国が経費を支出する際の根拠となる法整備がされていないといったことも知ることができました。

国民投票については、多くの課題があり、年内にも改憲発議がされるのではないか・・・とも言われている中で、国民投票法についても改善していかなくてはならないことがわかりました。
そして、憲法は一文字も変えられていないのに、反するような法案が国会を通過してしまっている現実を考え、福生ネットとしてもできることを考えていきます。